第07章:印鑑騒動と訴状提出

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三文判が通用するのに何故??・・・と、いう問いに事務官さんは、

『告訴しているのは有限会社xxxの○○さんでしょ。だから会社名だけの印鑑じゃ駄目なんです。』

と、言われてしまいました。

これについて個人でも法人でも印鑑の位置づけは変わらないそうですが、法人が裁判を起こす(原告になる)場合の 印鑑は法人名と提訴する人間の肩書きも必要になるらしいのです。
要するに、 『原告』を表す為だけの話 なのですが、持っていた『会社の印鑑』と『個人の印鑑』を2つ押せば 良いというわけでもなく、あくまで『三文判でも良いからすべてを満たす必要がある』と、言うのです。

しかし、そんな印鑑は『ゴム印』しか思い付かないのに、それではNGだというので、らちが明きません。

[図:個人の場合の印鑑] [図:法人の場合の印鑑]
印鑑の例:個人の場合は『個人名(名字)』が分れば良いのだが(図:左)、法人の場合は加えて『法人名と肩書き』 もわかる必要がある。

ここまで、何となく険悪なムードが漂っていたのですが、事務官の一言で不意に均衡が崩れました。
『印鑑以外はOKなので、あとは地下の売店でゼロ・・・・』

”ゼロ”のあと”ックス”が続く事は明白でした。
しかし、事務官とはいえ裁判所の人間が『特定の会社名、商品目を指定するのは御法度』らしく、 口を滑らせたと思ったのか事務官の態度が豹変しました。

『まあ、慣れていないから大変でしょう! あとは(間違った印鑑に)紙でも張ってコピーすれば、ここへ来なくても 窓口に提出できますから。それに売店のコピーより他でやった方が安いでしょうから。ははは・・・』

・・・と、なんだか落語のような話ですが、こうして印鑑以外は問題がなくなったものの、会社に帰って相談を しないといけないので、訴状提出に必要な『印紙1,000円分』『切手3,910円分』を買って裁判所を後にしました。

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☆裁判費用について☆

少額訴訟に限らず、裁判の費用(手数料)は『相手への請求金額』に 応じたものとなります。

訴額手数料
〜5万円500円
〜10万円 1000円
〜15万円 1500円
〜20万円 2000円
〜25万円 2500円
〜30万円3000円

私の請求金額は約6万円なので、表にあるように1,000円という手数料を指定されたわけです。
また、切手(正式には郵券)は原告及び原告などへの郵便物の発送に使われるもので、
訴える相手が一人の場合 → 3,910円(私の場合はこれ)
訴える相手が二人以上の場合 → 1人増えるごとに2,100円ずつ足した額
になるそうです。
切手は必ず全額を使うのではなく、余った切手は裁判後に返却され、不足した場合は逆に請求されるそうです。

この他に
○ 被告(原告)が法人の場合には会社謄本の取得費用
○ 訴状や資料のコピー費用
○ 交通費
などが必要となります。
(ちなみに、裁判所の売店でのコピーは1枚40円と高価な事で有名です)

はたまた、今回のケースのように『原告は私の親父』ですが、『実際に取り仕切るのが私』のようなケースでは 『代理人申請』が必要となり、申請費用として1,000円の印紙を必要としました。
まあ、お飾りでも本人が出席して、それをサポートする形ならば不要かもしれませんが、ケースバイケースでしょう。

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