少額訴訟への道のり

第07章:印鑑騒動と訴状提出

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<平成14年9月25日(水曜日)>
裁判所へ提出する書類には訴える相手のデータをあれこれ書かねばならないのですが、 前述の通り名刺の一枚も貰っていないので分らない事だらけでした。
インターネットを使って商売を展開する予感は在るものの、実際には情報は皆無でした。

一応住所だけは分っているのでNTTへ問合せれば電話番号の確認はできますが、FAX番号は 調べようがありません。
そこで夜逃げしていないかの確認もかねて午前10時半頃にC社へ電話をかけてみたのです。

すると、電話に出たのは以前話しをした事のある G女史 でした。
事務的に『代表電話番号』と『FAXの番号』を聞きだした後、ダメモトでその後どうなったいるのかと 問いただしたところ、

「本日中に折り返し連絡をする」

と、返事がありました。

しかし、予想の通りそれ以降も一切の連絡は入りませんでした。


<平成14年9月27日(金曜日)くもり>
この日、ようやく一通りの書類が揃ったので訴状の提出へ行くことにしました。
当然の事ながら前回の轍を踏まぬように電車を使って霞ヶ関を目指す事にしたのですが、 地下鉄から地上に出た後にビルの谷間で方向感覚がつかめず、
しばらく道に迷ってしまいました。

今回は『民事受付相談センター』へ直行し、一応前回同様にアンケート用紙へ記入を行い順番を待っていたら、 前回とは違う中年の担当官の待つカウンターへ呼び出されました。

事の次第を一通り話し、持ってきた訴状を添削してもらっう事になったのですが、

『自分の会社の名前が間違っているじゃないですか!!』
と、いきなり怒られたので、何の事かと呆気に取られてしまいました。

実は、我が家の『屋号』は元々『玉子家』から由来した、卵を意味する『エッグ』と称しているのですが、 会社謄本上は『エッグ』ではなく『ヱッグ』になっている事をスッカリ忘れていたのです。
”そのくらい、いいじゃん”と、内心思いましたが、公(おおやけ)の書類ですから悪いのは私に違いありません。

間違った箇所を消しゴムで消して(その為に訴状は鉛筆で書く)書き直していたら、
『書けば良いってもんじゃないんですよ、分るようにキチンと書いてください。』
と、悪筆に対して教育的指導を受けてしまったのです。

元々字を書くのが苦手な私ですが、重ねて注意を受けてしまった事で、余計に緊張してしまい手は震えて来るし、 いい事無しでした。

しかも、この後思ってもいなかった決定的な指摘をされてしまったのです。
『これ・・・、この印鑑じゃ駄目ですね・・・』

訴状や資料のあちこちに押していた印鑑は社名の入ったそれなりの物だったので、最初は意味を図りかねました。
いわゆる三文判でOKとの認識でしたから、主に銀行向けに使っている公の印鑑なんら文句はないだろうと高をくくって いたからです。

しかし、ここに落とし穴、認識違いがあったのです。
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