風雲急を告げたのは午後の事だった。
遅まきながら送られてきた見積もりメールをみて「こっちの方が近かったな・・・」
などと思っていたら、携帯電話が鳴った。
番号を登録しているので直ぐに2cvを預けた車検やさんだと分かった。
しかし、電話に出てガッカリした。
『いろいろ調べてみた結果、後輪のブレーキドラムを開ける特殊工具が無いため、車検を通せない』
と、言われたからだ。
直ぐに代車の三菱リベロで車検屋さんへ行ってみたものの、状況が変わるはずもなくアウト。
預けておいた費用を全額返還してもらい、帰路に着いたのだ。
とほほ・・・
こんな時、頼りになるのは正規ディーラーのはずだ。
まあ、車検代行屋さんのような激安価格は期待できないが、細かいことを言う必要が無い分
安心して預けられると考えたのだ。
真っ先に思いついたのはBXを修理に出した事のある同じ区内にある某社。
ダメモトで電話を掛けたところ調子の良い営業が出て『受け入れ可能』と打診された。
しかし、ここにはいろいろと苦い思いをしてきたので結局却下。
そこで、有明にあるメーカー直営店に頼む事にした。
『儲け』にならない試乗ばかりしていたという、後ろめたさもあったしね・・・
そんな訳で、奥方と共に江東区有明にある『シトロエン有明』に向かおうとしたのだが、正月休み明け早々
なので、もし休みだったら意味が無い。
念のため電話を掛け、受け入れ準備をしてもらってから行く事にした。
ところが、意外や意外『2cvの車検は受け付けられません』と言う無常な答えが返ってきた。
しかも、理由は上記の車検屋さんと同じで『工具が無いから』だった事には驚きざるを得ない。
それでもメーカー直営ディーラーかよ!!
電話に出た技術担当曰く、
『工場を立ち上げる時に、探したのですが手に入らなかった』
『”GSTさん”は工具を持っているので対応してくれている』
との事だが、何とも納得が行かない・・・
私は素人なのでエンジンやブレーキのような命に関わるものや、大それた作業が必要に
なる整備はこれまで避けてきた。
その為、ブレーキドラムどころか、後輪を外した事も無い。
そんな状態だから2cvのドラムブレーキの構造や『特殊工具』が如何なる物を
指しているのか全く理解できなかったのだ。
GSTさんや某H社に頼む事も考えたが、店までの距離や手間、費用の事も考えると『帯に短し襷に長し』
でイマイチ決断するに至らない。
結局、いつものようにユーザー車検の代行屋さんを探して『素通し』してもらう事に決めた。
(2008-01-18)