仕事が忙しくて車どころの騒ぎではない状態だったが、気にならないはずも無い。
以前シートゴムを注文したアメリカのFPSにメールを入れたり、普段ROMをしている
シトロエニスト・メーリングリストに
投稿したりして情報集めだけは続けた。
するとコイルの故障(突然死?)以外にもポイントの不具合もありえるとの情報が入った。
確かに外見的に変化の見られないコイルの不良よりもポイントが原因のようにも思えてきたが、
例によってポイントを
チェックするのにはクーリングファンを取り外す大仕事が必要になる。
この作業も今では随分と慣れて来たので苦には成らないが、仕事が猛烈に忙しいので週末まで
時間が作れないのが現実だった。
まあ、仕事に支障が無い事だけが唯一の救いではあるが、スッキリしない事には変わりが無い。
この日の朝、CMLを見た知人のK氏から『所有している予備のコイルを貸してくれる』とのメールが入った。
前述の通り、ポイントが原因である可能性も高いのでコイルを借りても無駄になるかもしれないが、
これによって故障原因の
切り割が一歩進むとも言える。
そんな訳で、無理やり仕事を抜け出してK氏をたずねる事にした。
K氏は奥方と同じ会社の2cv乗りで随分前に知り合った人だ。
ところが、不思議な事に年賀状やメールのやり取りはしていたものの、直接会うのは今回が初めてだった。
何となく見た事のあるK氏と初対面しつつ、快くコイルを貸してくれた事に礼を言ってとんぼ返り。
帰り道に自宅によって早速テストをする事にした。
本格的にコイルを交換するのには工具が必要だが、動作確認だけなら4本のコードを抜き差しするだけだ。
自宅からイグニッションキーを持ち出し、ボンネットをあけ、コイルの配線を組み替えるのに掛かった時間は
2、3分くらいだったと思う。
ドキドキしながらイグニッションキーを捻ったところ、何事も無かったかのようにエンジンが目を覚ましたではないか!
「やっぱり原因はコイルだったのか!!」
と、言う事でトラブルの元となったコイルに配線を戻して再度確認をする事にした。
ところが、この時とんでもない事がおきた。
なんとイグニッションコイルへ繋がっていた電線のギボシが呆気なく抜けてしまったのだ。
何でこんなところで抜けるの?!
ためしにギボシの中に抜けた配線をねじ込んだところ、元々のコイルのままでもエンジンが目を覚ました。
・・・メーリングリストまで巻き込んでの大騒ぎだったが、恥ずかしいほど単純なトラブルだったのだ。
結局、後日このギボシをカシメ直しただけで完治してしまった。
これで大したお金も掛からず、車が治ったので買い替えの話は若干遠退いたと言えるが、車にまつわる
精神的なアップダウンに疲れ果てたのは言うまでも無い。
困ったものだ・・・