<平成14年10月21日(月曜日)>
裁判を翌日に控えていたその日、私と親父は小雨が降る屋外でビデオの撮影をしていたのですが、
A社のA氏から唐突に電話が入りました。
何かと思ったところ、A氏いわく
『B氏とC氏の両方に話を付けたので、それぞれから集金をして月末に私が責任を持って入金するから訴状を取り下げて欲しい。』
と、言うのです。
裁判の前日になっての『虫のいい話に』戸惑いましたが、私としてはどんな形であれ全額回収さえできれば何の
不満はありません。
そこで、『入金を確認してから』という条件付で訴状取り下げを受け入れる事にしました。
ただし、前日にまで迫った裁判を今更ストップするわけにも行かないので、この事を前提に裁判は決行する旨を
伝え、A氏もそれを了承しました。
かくして、円満解決へ向けて裁判を迎える事となりました。
<平成14年10月22日(火曜日)>
裁判当日も昨日の撮影の続きがあったのですが、残りの作業を親父に任せて現場を後にしました。
工場のある大宮から霞ヶ関への移動は接続が良かった為か予想以上にスムーズで、仕方なく裁判所1階のロビーで
時間を潰す事となりました。
頃合を見計らって裁判の行われる3階へ移動しましたのですが、法廷のあるフロアは木をあしらった暖かく落ち着いた雰囲気で、事務一辺倒の裁判所とは違った趣がありました。
部屋番号を頼りに奥に進んでゆくと、入り口に事件番号と当事者の会社名が表札のように掛かっていたので、恐る恐る
法廷内へ入りました。
しかし、中にはまだ誰も来ておらず、『出廷カード』なるものに自分の名前を書いてから、傍聴席に座ってしばらく
待つ事にしました。