01:必要な材料を考える

2cvの幌は何で出来ているか

さて、2cvの幌を自作(厳密には幌生地の交換)する際に何が必要になるかを考える必要がある。
リアの窓ガラスや窓枠、ガスケット、幌の骨組みなど再利用出来るものは極力再利用する方針だが、 再利用の不可能なものもあるからだ。

1.幌生地
これが無くては話は始まらないのだが、調べてみると非常に奥深いものがある。
箇条書きには収まらないので別項に譲る。 → 02:幌生地を探してみる

2.カシメ玉
2cvの幌には何箇所か『鋲』のようなものが打ってある。
[写真:幌の”鋲”]
主に幌と骨組みとを固定する為のと思うが、これが何処で手に入るかが分かるまで紆余曲折があった。

ある日、『下穴を開け、2枚の素材をカシメるのだからリベットでは』と、思いDIYショップへ行ったのだが、 置いてあるのは普通のリベットばかりで所望している物は見つからない。
最悪これでも用は足りるが、見てくれが良くない・・・
[写真:ブラインドリベット]

そこで次に見たのは『ハトメ』の売り場だった。
『下穴を開けてカシメる』点では共通項があるし、上記のリベットよりも現物に近い気がした。
しかし、ハトメは紐を通したりする為のものなので、固定用とは一寸ばかり方向性が違う。
・・・と、検索はある時までここで止まっていた。

ところが、ある時『鋲』と言うキーワードで検索をかけた時に『飾り鋲』という単語が浮上した。
和太鼓の皮を張るのに使う鋲が2cvの幌の鋲に近い気がしてきたのだ。
留め方も全く異なるのでそのままでは使えないが、ハトメよりも現物に近いのは確かだ。
そこで自宅の近所にある大きなDIYショップに行ってみたところ、案外簡単に見つける事が出来た。
[写真:飾り鋲]
だが、『これで決まり』と言うはずは無い。
やはり、2cvで使われている物とは使い方も目的も異なる鋲だからだ。

『カシメ玉』に辿り着いたのはそれから暫くしてからだった。
『カシメ』をキーワードに検索したところようやく本命であるカシメ玉に行き着いたのだ。
[写真:飾り鋲]
早速、近所のDIYショップでカシメ玉が手に入るのかを探しに行ったところ、アッサリと見つかったのは よいのだが、上記の『飾り鋲』と同じ列に並んでいた事に少々戸惑った。
しかも、この店だとハトメと同じ場所においてあった・・・

3.ゴムバンド
2cvの幌は左右に直径10mmくらいのゴムバンドが入っている。
幌はこのゴムバンドの張力によって固定されるのだが、我家のポンコツ車の幌を見たらいたるところで ひび割れを起こしている。
幸いにして断裂しているわけではないので再利用できなくは無いが、正直言って何時切れてもおかしくない。
そこでこのゴムバンドの代わりになるものをネットで検索してみた。
しかし、直径10mmのゴムとなるとなかなか見つからない。
Oリングやガスケットの類はヒットするのだが、長さが2m近くとなると絶望的だ。

しかし、このゴムバンドの用途は自転車の荷掛け紐となんら変わりが無いことに気が付いた。
そう考えると同じ形状のゴムを無理やり探す必要は無くなる。
極論すれば100円ショップで手に入るアイテムだし、太目の高級品だって1000円もしないで売っている。

4.接着剤
2cvの幌は両端を折り返して接着し、その中にゴムバンドを通という構造になっている。
[写真:2cv幌の構造図(端部拡大)]
2cv幌の構造図(端部拡大)

それに気が付いたのは経年変化によって剥がれてしまったからに他ならない。
まあ、カシメ玉によって骨組みに止まっているので『傘』の役目は果たしているが、横方向の張りは当然失われている。

話を戻して、幌を掛けなおす時にどんな接着剤を使うかは悩ましいところだ。
剥がれている場所を見ると黄色い接着剤の跡が見えるので恐らくセメダインで言うところ 『G17』の類だろうが、生地の材質によっては色が透けてこないとも限らない。
幸い柔軟性と耐熱性の高い接着剤は他にもあるので問題は無いが、そもそも『ミシンで縫えば接着剤は不要では?』 と考えたりもする。
ただし、『誰が縫うか』と言う問題は残る・・・

5.クリップ
2cvの幌生地の前端は”固定金具の入っている棒”を巻き込む形で固定されている。
しかも、ここに至ってはネジや接着剤では無く、事務用品で言うところの通称『ガチャ玉』状の 簡単なクリップで止まっている。
これについて流用できる可能性も高いが、安価な物なので交換した方がベターかもしれない。
[写真:クリップ]
前端を止めているクリップ

(2006.08.07)
(2006.08.21) 幌の拡大図を修正、クリップの項を追加


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