キャブレタ調整について

<01-06-01に加筆>


2CVなどの旧車を所有(レストア&維持)するにおいて、避けて通れないのがキャブレタ調整です。

ガソリンエンジンは適切な濃度の混合気を燃やして動きますが、キャブレタはその性格上、 季節や場所(温度、湿度、気圧)の影響を受けつづけます。
その為、季節の変わり目などには調整する必要があります。

幸い2CVはスクーターなみにキャブレタが1つだけなので 楽と言えば楽 ですが、素人にとっては鬼門である事には変わりありません。

私も最初は右も左もわからず頭を抱えたものですが、最近は 『何となくコツがつかめてきた』 気がします。


[キャブレタ前から] [キャブレタ横から]

写真をご覧ください。ソレックスのツインチョークタイプキャブレタです。

左の写真はキャブレタを車の前から見た図で、 黄色い丸 で示したのがエア・ミクスチュアです。
右の写真はキャブレタを車の横(左側)から見た図で、 赤色の丸 で示したのがアクセル(=燃料)調整ネジです。

調整箇所は 『燃料の量』 『空気の量(Air Mixture)』 の2つだけです。
どちらも最初は 少ない方向 から調整をし始め、様子を見ながら徐々に増やして行き バランスをとっていきます。
(調整をする際にタコメーターがあった方が客観的ですが、無くても出来ない訳ではありません。)

    (私の場合)
  1. エアクリーナーを取り外します。
  2. まず空気の量を最低状態(ネジを右回しに締めてゆき、完全に止まった所)から2回転位もどした状態にします。
  3. エンジンをかけ、燃料の量を増やしてゆき、アイドリングの安定する場所を探ります。
  4. アイドリング時のエンジン回転が規定値に達しない場合は空気と燃料の量を少しずつ増やして行きます。
  5. バランスが取れたらエアクリーナーを取付けてテスト走行をする。
  6. テスト走行後に不具合が見つかった場合は再調整をする。

経験的にはテスト走行をしないとセッティングは完成しません。
その再調整する見極めですが、

    空気の量が多い(燃料が少ない) → 空気を減らす
  1. 寒い冬の朝などに始動性が悪い
  2. アイドリング時のエンジン回転が次第に高くなってゆく
  3. スパークプラグが真っ白に焼ける(オーバーヒート状態)
  4. バックファイアを起す
    燃料が多い(空気が少ない) → 燃料を減らす
  1. アイドリングが不安定になる(不整脈状態?)
  2. スパークプラグが真っ黒なる(いわゆるカブッた状態)
空気量の項目が圧倒的に多いのは、私がケチで燃料を絞る傾向にあるからです・・・・

もしも、何度この2つのパラメーターを調整してもセッティングが上手く行かない場合、 別の原因も考えられます。

例えば空気の量を最高にしないとバランスしない場合は フロートギャップ が高すぎるかもしれませんし、ジェット類が緩んだり、脱落している場合もあります。 (←これらは全て燃料が過剰な状態といえます)

また、エンジンの始動性が良いのに『全くアイドリングしない+直ぐにカブル』時には アイドルジェット の脱落という深刻な事態かもしれません。
アイドルジェットに関しては辛い時期がありましたから、また別項で・・・・


* 少ない方向から調整 *


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