少額訴訟とは
少額訴訟とは民事訴訟のうち、
少額の支払いをめぐるトラブルを速やかに解決する為のもの
です。
(ついつい『小額』と誤変換してしまうのですが、”金額が少ない”と言う意味ですね)
- 具体的に例を挙げると
- ● 商品を納めたが、代金を払ってもらえない
- ● 借金を返してくれない
- ● 交通事故の賠償金を払ってもらえない
- ● アルバイトなど給料を払ってもらえない
などです。
- しかし、少額訴訟には以下のような特徴(制限)があります。
(裁判所で貰った小冊子から抜粋)
- 1. 30万円以下の金銭支払請求に限る
- 2. 審理は原則1回、直ちに判決言渡し
- 3. 証拠書類や証人は、審理の日に調べられる物に限る
- 4. 分割払いや支払猶予の判決も出来る
- 5. 少額訴訟判決に対する不服は異議申し立てに限る
- これらを私の知る限りで補足すると、
- 1 →
あくまでお金のやり取りに限定された民事訴訟
ですから、離婚や子供の認知、喧嘩の仲裁などお金に関係のない事件は対象外となります。
また、30万円を超えると少額訴訟の対象外になります。
- 2 → 裁判と聞くと結論が出るまで長い期間と手間が掛かる印象がありますが、
少額訴訟は
原則1回で判決が出るので最低限の手間で事が済みます。
これによって結論がダラダラ先延ばしになる事からくる”泣き寝入り”を防ぐ効果があるのだと
思います。
- 3 → 2とも関係があるのですが、裁判を速やかに終わらせる為には
証拠や証人をそろえる日がバラバラでは困る
からでしょう。
- 4 → 証拠が揃っていて、法律的にも問題が無ければ裁判には容易に勝つ事が出来るでしょう。
しかし、告訴された方にも経済的な理由などもあるでしょうから、
一活払いを強制するのではなく”分割払いで支払う判決”や”支払いに猶予を与える判決”
が出る事もありえます。
これはお互いに”示談”が成立した上で話し合われるので、ケース・バイ・ケースですね。
- 5 → 裁判に負けたて判決に不服がある場合、普通の裁判で上位の裁判所へ上告して
裁判を続けるケースがあります。
しかし、少額訴訟でこれを認めてしまうと2の『審理は原則1回、直ちに判決言渡し』が成り立たなく
なってしまいます。
その為、少額訴訟では上告を認めず、『不服(異議)申し立て』という弱い発言力(?)しか
認められないようです。
これについては裁判所の文章を読んでもイマイチ理解し切れなかったのですが、
要するに判決をひっくり返す事は出来ないが、示談の話し合いを部分的にやり直す程度
だと思います。
- また、これら5項目以外に上げるとすると
- * 弁護士など法律の専門家に相談しなくても、裁判所の相談窓口で対話式に訴訟書類を
作成する事が出来る。
- * 少額訴訟は同一裁判所に1年間に10回に限られる。(金融業者が制度を乱用しないように)
- * 裁判費用は請求金額に応じて上がるが、非常に安価。
私の場合請求金額が59,325円だったのですが、裁判手数料(1,000円)+
予納切手代(3,910円)、合計して4,910円で訴訟を起こす事が出来ました。
但し、実際にはこの他に『交通費』や『書類作成の際のコピー代』、場合によっては『会社謄本代』
などが掛かります。
それでも弁護士などに手数料を払わなくても揃えられる物ばかりですから敷居はかなり低いと言えるでしょう。
- * 被告が判決を正当な理由無く履行しない場合には、一般裁判同様に強制執行(ようするに差し押さえ)となる。
この『一般裁判と同様』ってのが曲者(くせもの)です。本裁判がいかに簡素化されていても、
強制執行は面倒な手続きが必要な為、結局踏み倒しを許してしまうケースもあるとか・・・
いろいろ書きましたが、裁判はケース・バイ・ケースです。
私の体験が世の中の全てのケースで適合するとは限りませんし、所詮私も法律の素人ですから
アドバイスできる事にも限界があります。
それに、いくら少額訴訟が安価で簡単に起こせると言っても、必ず勝てると言うわけではありません。
必要な証拠や書類は自分でそろえなければなりませんし、法的に有効でなければ意味がありません。
それらに不安がある場合には訴訟を受け付ける簡易裁判所の相談窓口で相談したり、
弁護士など法律の専門家のアドバイスを受けるのが得策と思います。
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