少額訴訟への道のり

第02章:余計な仕事と請求書

<平成14年5月28日(火曜日)>
一連の作業が終わり、会社で請求書の項目などをピックアップしていたところ、 B氏 から
『配線の後始末が悪い』『ネットワークプリンタで印刷が出来ない』 と言うクレームの電話が入りました。

配線の後始末については『配線さえしてくれればモール(配線カバー)はこちらでやるから』と、 見積もりの際に言われたので、”この人は何を言っているのだろう”と思ったのですが、 よくよく聞いてみたところ、
『ケーブルが複雑に絡み合っている状態のなので、素人にも触れるように綺麗にまとめなおしてくれ』
と言う事でした。
プリンターに関しては電話口では分らないでし、しきりに『仕事にならない』と言われるので アフターサポートを兼ねてB氏の所へ駆けつける事となりました。


前日に行った動作確認では問題が無かったのに今は印刷が出来ないのですから、どんなトラブルかと 思いを巡らせていたので、私はオフィスへ到着して直ぐにプリンターを調べてみました。

すると、ガッカリするくらい単純な原因でした。 電源コードの接触不良だったのです。

接触不良の原因が私の刺し方が浅かったせいなのか、誰かが触った為だったのかは 定かではありません。
しかし、コードが抜けているくらいで呼び出されたのかと思うと、今後に一抹の不安を感じて しまったのが正直な感想です。

力が抜けつつも今度はLANケーブルの配線の見直しをして見ましたが、 言われてみると、確かに綺麗とはいえないに状態でした。

極力ケーブルが見えない場所を通しているので9割がたは問題は無いものの、手伝ってくれる人 もいないので1人で右往左往していた為、IPルーターの周りに集中しているケーブルの後始末が 荒っぽくなっていたのです。

まあ、この点は素直に反省することにして、化粧針金でケーブルを束ねなおす事にしました。

作業後B氏に状態を確認してもらいOKが出たので、前日までの 請求書 を手渡してC社を後にしたのです。


<平成14年5月30日(水曜日)>
B氏からまた電話が入りました。
今度は『販売管理用パソコンが動かないので来て欲しい』と言うのです。

正直に言って”電話をかける先が違うんじゃないのか”と、思ったのですが、 電話で状況を聞いても相手は知識ゼロ近いB氏ですから、話になりません。

仕方が無いので、3時頃にC社オフィスを訪問したのですが、行ってみると 単にサーバーがハングアップしていただけだったので、再起動させて正常に動作し始めました。

(内心腹立たしくも)15分程度で帰る事になったのですが、わざわざ来たのですからB氏に支払いについて尋ねてみました。
するとB氏いわく
「相手が個人であれば直ぐに払うのだが、会社対会社なので(経理が)どう考えているのかわからない」
と、説明を受けました。

”お互いそんなに大きな会社なのか”と、内心腑に落ちない物を感じつつも、 B氏がそれ程高い地位にいないことも薄々感じていたので、その日はそのまま帰ることにしました。


<平成14年6月3日(?)>
B氏から
『今まで行った作業の内容をパソコンのわかる社員Fに説明して欲しい。 でも、Fは月、水、金曜日しか出社しないので予定をあわせて欲しい』 と、電話が入りました。

つまらない事で度々呼び出しをされては私としても仕事に差し支えますから、 F氏の登場はありがたく感じました。

ところが、その際にB氏に
『経理上の締め日と支払い日を教えて欲しい。集金に伺ってもかまわない』 と、聞いてみたものの、結局ハッキリとした答えは返って来ませんでした。

B氏への不信が明確になったのは、大体この辺りからです


<平成14年6月7日(?))>
F氏が来社している事を電話で確認してからC社のオフィスを訪問しました。

F氏は30歳半ばの普通のサラリーマン風の人でしたが、パソコンの知識があるのは間違いなく、 こちらの説明を100%理解してくれました。 (『これで厄介払いできる』と、思ったのは言うまでもありません・・・)

F氏へ一通りの説明を終えたところで、B氏から
「インターネットの契約をしたがパソコンの設定の仕方がわからない」 と、言われました。
見ると、新しく引いたアナログ回線でダイアルアップ接続をしたいらしいのですが、 説明書を読んでもやり方がわからないというのです。

以前からB氏は『Yahoo!BB』のADSLを引いてIPルーターをブロードバンドに 接続すると、言っていたのですが、現状では単なる社内LANの次元で止まっていました。
このアナログ回線とダイアルアップ接続は、それまでの『一時的な繋ぎ』だという事は 分っているのですが、相手は『Mrわかんない』ことB氏です。

いろいろ話を聞いてみた所、ダイアルアップの設定をプロバイダーに問合せたものの、 理解できずにB氏のほうから電話を切ってしまった状態らしいのです。

結局私が設定を行ってメールの送受信が出来るようになりました。
しかし、本来ならばこの作業に関しては見積もり外なので請求の対象になるのですが、 考えるのも馬鹿馬鹿しくなったのでアフターサポートの範疇である事として請求はしませんでした。

とどめに、「サーバーへのアクセスが出来ない」とクレームも受けたですが、結局それもサーバーの 電源が切ってあるだけでした。
当然電源を入れただけでアクセスが出来るようになったのですが、F氏からは『B氏は一事が万事この状態』で、”いわれの無い文句”を付けられる事があって困る事もあると、愚痴をこぼされてしまいました。

それでも、まともに支払ってくれたら悪いお客じゃ無かったんですがねぇ・・・


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