所詮は電卓?

AT互換機で主に使われている 『Intel製のCPU』の 歴史をず〜っと、さかのぼって行くと 『電卓用のCPU』にたどり着きます。
私はここにコンピュータを使う上での大きな真理を感じざるをえません。


<パソコンは便利な道具ですが・・・>

コンピュータっていう物は非常に便利な道具ですから、1台でゲームからビジネスまで幅広く 活用する事が出来ます。

そこで世の中には 『20万円の最新型PCでインターネットしかしない人』 もいれば 『中古で買ったPCで株で大儲けする人』 もいるでしょう。
しかし、所詮は 道具をどの様に使うか (使っているか)の差であって、『どちらが偉いか?』 や『どちらが正しいか?』という話を持ち出すのはナンセンスです。
『パソコンを買った』と言う事に満足して、実際には使っていない人も大勢いるででしょうから、 それと比べれば『H画像を見る為に使っている人』の方が道具を有意義に使っていると言えるでしょう。

かつて 『Windows95の発売によってパソコンの利用は格段に簡単になった』 とモテはやされ、急激にPCユーザーが増えた事がありました。
しかし、『魅惑的なキャッチコピー』とは裏腹に使いこなせない人も続出して、結果的に多くの 『パソコン難民』を作ってしまったというオチが付きました。

これは
『簡単な事が積み重なって複雑な事はできている』と言う面と
『他人が便利だという道具が自分にとっても便利とは限らない』 と言う面が絡んでいます。

パソコンは便利な道具ではありますが、人間と違って 用事を頼めばやってくれるような高次元の代物ではありません。
電卓と一緒で『1に1を足せ』という命令を与えた時に『2』という結果を出す道具であり、 人間が命令を与えなければ絶対に働いてはくれないのです。

この考え方はパソコンだけでなくスーパーコンピュータでも基本的には同じですから WinでもMacでも究極的は変わりはありません。

そんな事で私は常々『パソコン電卓論』を持論としています。


<電卓とPCとの違いは何か?>


さて、簡単な例をあげて見ます。
1個20円のジャガイモが10個、30円のにんじんが5本、25円の玉ねぎを8個買ったとします。 その時の合計金額はいくらでしょうか?
(まあ、暗算でも出来ますが、考え方の例なのでお付き合いください)

品物ごとに単価に個数を掛け合わせると小計が導き出され、小計を全て加算すると合計金額が出ます。
当然ながら以下のようになります。

品 物単 価数 量小 計
ジャガイモ2010200
ニンジン305150
玉ねぎ258200
合 計550

この計算を電卓を使って行うとすると
1:『単価の数値を打ち込み』『+キーを押し』『個数の数値を打ち込み』『=キーを押す』(=各小計の計算をする)
2:(普通の電卓には複数の計算結果を記録する機能がありませんから)各小計を紙などにメモする。
3:メモをした数値を全て『足し合わせる』
これをパソコンを使って行うには『MS−Exel』や『Lotus 1-2-3』などの表計算ソフトが 便利です。
1:セルに上記の表のごとく単価と個数データを入力していく
2:『単価のセル』のデータと『個数のセル』のデータを掛け合わせる計算式を『小計のセルに入力』する
3:『小計のセルを合計する計算式』を『合計のセルに入力』
4:計算を実行させる(普通は自動実行)
同じ結果を導き出すのに『電卓』と『パソコン』では使い方に違いが生じますし、この程度の計算では パソコンの方が優れているとは一概には言えません。
しかし、 ここで重要なのは考え方は全く同じである事です。

乱暴な言い方をすると今回の計算は 『小計を計算する』部分と 『合計を計算する』部分の2つの 部分に分ける事が出来ますが、さらにその中身を分解すると 『データを入力する』 『計算する為の命令を入力する』 『計算の実行』 の3つの行為から構成されているのです。

データを入力する計算する為の命令計算の実行
電卓の場合数値を打ち込む+キーを押す=キーを押す
パソコンの場合セルに数値を入力するセルに計算式を入力する(普通は自動実行)

電卓とパソコンそれぞれを使って計算する時の差を ドライブに例えるなら
『目的地とチェックポイントが同じでも経路は様々ある。コースは1種類とは限らない』 と、表現できると思います。

では、使い勝手が電卓よりも劣る(かもしれない)PCを使うメリットとは何でしょうか?  その答えは
人間によって与えられた仕事を文句を言わずに繰り返してくれる事 だと思います。

上記の例くらいなら電卓とメモ紙があればMS−Exeleを起動させるよりも早く計算できるでしょうが、 列数や行数が100倍になったとしたら全体の計算量は膨大な物になってしまい、気が遠くなることでしょう
(計算が合っているのかを確認する為に複数回計算を繰り返して、1度でも違っていたらパニックに陥る事請け合いです。)


<ヤッパリ電卓>

話を戻しますが、電卓もパソコン、そしてソロバンや計算尺も所詮は人間から見れば『同じ次元の道具』 だと思います。
そして、人間には同じ道具を使う上でも熟練度や好き嫌いから来る差が生じますからパソコンが万人にとって 便利な道具とも思いません。
しかし、ツボを押さえつつ練習・学習をしていけばパソコンが電卓よりも難しいとは思いませんし、 電卓でこなせる仕事を無理にパソコンで行う必要も感じません。

やはり一番重要なのは
自分にとって、どの道具を使えば最も『早く』、『楽に』、『正確に』作業を行えるか
と言う事だと思います。


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