でたらめ日記特別編:コリア大作戦
序章
ある日、宣教師(兄貴)から兄弟全員の携帯電話へ『今年も韓国に行くことにしたが、一緒に行くものはいるか』と言う内容のメールが配信された。
激安パック旅行の基本は2人以上なので兄貴1人だけで行と1人分の料金が無駄になってしまう為、勿体無い事この上ない。
そこで有志を募い、結果的に私の奥方と妹も休みの都合をつけたのだが、最悪は私だけでも参加するつもりでいた。
しかし、正直に言って最初は韓国旅行というものにピンと来なかった。
ブランド商品に全く興味が無く、海外旅行もした事がない私には
オランダでチーズを食べ、イタリアでパスタを食べ、ベルギーでチョコレート、フランスでワイン、ドイツで
ビール
・・・・と、飲み食いしか思いつかない。
そこで韓国を食べ物によって思い起こすと『焼肉とキムチ』が直ぐに思い浮かぶが、肉にがっつく歳ではなく
なってきたと実感してきたし、辛い物が苦手な私にとってキムチは積極的に食べたい物ではない。
しかし、韓国にたいして小さな思いはいくつかある。
例えば写真学校の同級生には韓国からの留学生が4人もいた。
必ずしも写真の勉強が目的ではなかった気もするが、みんな流暢に日本語を喋っていて、韓国語に
触れるチャンスは殆ど無かったが、どんな言葉も発音可能なハングルを作った偉大な王様の話しは聞いた記憶がある。
また、男性二人はかなり年上だった為、徴兵を経験済みだっただけでなく、ベトナム戦争にも
従軍した事があると言う話しも聞いた。
徴兵制が残っている話しは何となく聞いていたものの、本物の戦争に行ったことがあると言う話しを
平和な日本で生まれ育った私は直ぐに本当だと思えなかった。
教科書レベルの知識ではあるが、日本と朝鮮との関係には浅からぬものがある。
しかも、豊臣秀吉の朝鮮出兵と二次大戦前の日朝併合の2つのエピソードだけでも大昔から大層な
迷惑をかけてきたわけだから、それを忘れて飲み食いだけして帰ってきたら、少なくとも写真学校の同級生だった彼らに対して後ろめたく思えてしまう。
そこで、なにかそれに報いる場所はないかと考えてガイドブックを開いたら『戦争博物館』があることが分かったので打ち合わせの際に候補地として挙げた。
まあ、偽善的な行為なのかもしれないが、広島や長崎にすら言った事が無い私には丁度良い機会ではないかと考えたのだ。
しかし、奥方がJSAを見て板門店(パンムンジョム)に行く事を推してくれたまでは良かったが、
それ以外には勉強が足りず、全く考えが及ばなかった。
そうなると後は食欲魔人になるだけだ。
やっぱり焼肉!(できれば犬も?)、ヘルシーに参鶏湯(サムゲタン)、チジミにトッポキ・・・etc
折角本場へ行くのだからガッツリ食べたい。
さらに私には目標があった。
本場のサンチュ食べまくりだ!!
以前、テレビ番組か何かで韓国に人は焼肉を食べる時には野菜を肉の2倍は食べると聞いた事がある。
しかも、同じ野菜でも日本の土壌で作るよりも遥かにマグネシウム(?)などのミネラル成分が
豊富なので健康に良いと言うのだ。(韓国女性が美しい理由もその辺にあると言う説もあるとか・・・)
これを試さぬ手は無い。
こうして韓国旅行は決行される運びとなった。