平成14年、夏休みの奇跡

<平成14年8月12日(月曜日)>

ついに夏休みに突入。
今年はいつに無く暑いので、遠出はせずにエアコンをかけた涼しい(ぬるい) 部屋で終始おとなしくする事にしまた。

しかし、実際には前の週に社長(親父)が先に夏休みをとって留守番をしていたこともあり、 事実上開店休業だったので、ジッとしているのにも飽きていたのです。

そんなおり、嫁さんの母君の『還暦を祝う会』が開かれる事となりました。
子供一同でプレゼントは何にするかを悩んでいたのですが、当の本人にズバリ聞いてみたら 「TVで見た金のアクセサリーが欲しい」と言われたので、早速インターネットで検索しました。

キーワードをあれこれ変えながら検索してみると、日暮里にある銀細工職人の工房で直販されている ことが判明、念のため電話をかけてみると『TVで取り上げられたので在庫もしている』という事が分かったのです。

時計を見ると午後の3時・・・
閉店は5時だと聞いたので、時間的には燃料を入れてからでもギリギリ間に合う時間です。
翌日も営業はしていると言われたものの、『膳は急げ』という事で夫婦2人で出かける事となりました。


地図で場所を確認したうえで、最近使う事が無かったカーナビ [写真:一体型カーナビ] を装着して日暮里を目指しました。

道中は、回りも夏休みだからか、あまりの暑さに出歩か無いの、平日にもかかわらず道路はそこそこ空いていた 為、あっけないくらい早く日暮里付近に到着しました。

カーナビが目的地の間近である事を示し、チェックポイントである信号機についている 交差点名を見るために車の速度を落とした時です。

プスン!
にわかにエンジンの回転が鈍くなり、交差点を目の前にしてエンストしてしまったのです。
(こんな事には慣れたくも無いですが、)いつものように惰性で車を道端に寄せて様子を見ることにしたのですが、 パーコレーションを起こしているらしく、全くエンジンは起きてくれません。

しかたなく、嫁さんに徒歩で工房を探してもらっている間、悪あがきをする事にしたのでが、 あまりの暑さの為か店を見つけて帰って来てもエンジンは掛かりませんでした。

狭い道だったので車を放置するわけにも行かないので、1人で買い物に行ってもらい、再度悪戦苦闘することにしました。

ところが10分近く掛かってエンジンをスタートさせたものの、冷却のために路地をグルリと走っている 途中でまたもエンストしてしまいました。

そんなときに限って福田探偵から『いつものファミレスに集合!』と、電話が掛かってきたのですが、 まさかスタックしているとも言えず、「日暮里にいるので直ぐにはいけない」と、断る羽目に。
(この時ほど涼しい場所でパフェでも食べたいと思った事は言うまでもありません)

程なくしてエンジンが掛かったので、最初に止まった交差点を目指そうとしたのですが、大通りへの 交差点でまたもエンスト!
前からも後ろからも車が迫って来たのですが、狭い道の両側に違法駐車の車がある為に すれ違いが出来ません。

『まずいぃぃ!!』と心の中で絶叫しながらセルモーターでその場を脱出しようとしたのですが、 車検以来ソレノイドの調子が悪いのか、なかなかモーターが回ってくれません。
あと0.5秒遅ければクラクションの洗礼を受けたであろうタイミングでようやくモーターとギアが かみ合い、ノロノロと路肩に非難する事が出来ましたが、しばらくは肩で息をするような状態でした。

1、2分してエンジンが再スタート。
アクセルをいつもより余計にあおりながら元の場所を目指したのですが、根っからの方向音痴である私は 交差点を曲がり損ねてしまし、再度路地に入って方向転換をする事にしました。

ところが、またも太い通りに出る交差点でエンジンが完全に沈黙・・・
しかたなくハザートランプを付けて後続車両を回避したのですが、前方にはパトカーが見えました。
こんなところで「つまらぬケチ」を付けられたくは無いとイグニッションキーを回し続けたところ エンジンはようやく目を覚ましました。

走り始めて直ぐ、最初のチェックポイントの交差点の表示が見えたことを確認したものの、 路肩に空きが無いので素通りしようとしたところ携帯電話がなりました。
『公衆電話』からの着信なので、おそらく買い物を終えた嫁さんからだと思い、車を路肩に寄せた途端に またもや『プスン』
さすがの私も諦めて、車が止まった場所を電話で説明して、嫁さんを待つ事にしたのです。


しばらくして嫁さんがプレゼントの品とコンビニで買ったお茶を持って現れたのですが、 慌てる必要がなくなったのでその場で暫し休憩。
それが良かったのか、案外簡単にエンジンが掛かってくれましたが、念のため足元の暖気噴出し口に 詰め込んである軍手を抜いて走る事にしました。

幸いにして帰り道は、来る時よりも空いていたので結構なハイスピードで走る事が出来たのですが、 日光街道の大きな交差点を曲がろうとして気を抜いた途端に痛恨のエンスト!  惰性で『一人押しがけ』を試みるもエンジンはまたも沈黙・・・・

信号は変わってしまい、後続車はいるので『もう嫁さんに押してもらうしかない!』と、思った 瞬間エンジンが再起動してくれたので、交差点を脱出できたのですが、またも肩で息をする状態でした。

『こんな事が続くとエアコンのついた軽自動車の方がどんなに良い事か』と、弱気な愚痴をこぼしながらの 帰り道だったのですが、不思議な事に気が付きました。
こんなにも何度もエンストする事も近年無かったのですが、よれよりも

『一度もクラクションを鳴らされなかった』
のです。

傍から見れば、交差点やらでポンコツ車が自分の行く手を塞いでいるのですから、迷惑でないはずがありません。
きっと私自身でもクラクション攻撃をするであろう状況が何度もあったのに、その日に限って一度も あおられる事も無ければ罵声を浴びせれる事も無かったのです。

まあ、夏休みで切羽詰った人が『たまたま』少なかっただけなのでしょうが、暑かっただけでなく不思議に 感じてしまった一日でした。


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