発 病・・・
親父と妹を伴いたどり着いたのは江戸川区小岩にある某シトロエンショップでした。
目的はただひとつ!シトロエン2CVでした。
実は私の自宅が近い事もあり、同ショップの店頭に2CVの姿がある事を
以前から気にしていたのです。
心躍らせながら店内に入ると、愛しの2CVがお店の人と共に出迎えてくれました。
展示してあった2CVは「距離は出ている」ものの全塗装してあるらしく
外見的には非常に奇麗な個体にみえました。
しかし、ボンネットを開けてみるとバッテリーが塩を吹いていたり、エンジンはスラッジ
まみれだったりと、「中はこれから・・・」という感じは否めませんでした。
それでも雑談をしつつ妹を伴って車内に乗り込むと、二人とも頬のゆるみを抑える事ができなく
なりました。
何処までもソフトなシート、ダッシュボードから飛び出したシフトレバー、
奇妙な場所にあるドアノブ・・・・
どのパーツも脳裏に焼き付いて離れない強烈な記憶を伴っていました。
それは、3年ぶりの2CV体験でした。
私の悪友・・・福田探偵が乗っていた2CVを私は何度も運転させてもらい、
「あ〜!なんて素晴らしい乗り物なんだろう」と、真面目に思ったものでした。
妹も満面の笑みを浮かべながら「・・・これならOK!」と意味不明な事を口走っていました。
その後シフトレバーの操作方法のレクチャーに突入したのは言うまでもありません。
そして、奇妙なシフトレバーをガチャガチャといじっているうちに脳髄に潜伏していた
「馬型へへ菌」
が急速な勢いで増殖を始めていました。
予想はしていたものの、その時の衝撃は「・・・今回は行けるところまで行ってみるか?!」と
自分を揺り動かしたのでした。
戻る