燃料ポンプの交換について

< 注 意 >

燃料ポンプの交換の作業はその性格上ガソリン漏れや火災を引き起こす事が有り得ますから、 自らのリスクにおいて十分に気をつけて 行ってください。
また、初期の2cvなど『フロートによる燃料量の調整機構の無いキャブレタ』には採用できない方法ですのでご了承ください。

概 要
用意する部品
作業手順
燃料ポンプ交換の効果


概  要

『簡単な構造』 と言うキーワードは2cvのあちこちに見出せる良い言葉だと思うのですが、 『簡単ゆえのトラブル』に陥る事があります。

例えば2cvの燃料ポンプは『霧吹き』や『井戸の水くみポンプ』に似た、簡単な構造の機械式です。
エンジンの回転によってカムが回転してプッシュロードを駆動させ燃料を供給するのですが、 小さなポンプなので渋滞に巻き込まれてパーコレーション気味になるとエンストの原因になるのです。

また、経年変化によって性能が落ちてくる部品でもありますので、様々な切っ掛けで交換する事のある部品 と言えます。

私も一寸した事が切っ掛けで交換する事にしました。


用意した部品

● 三菱製軽自動車用電磁燃料ポンプ
型 式 : FUEL PUMP A MD098980
値 段 : 6,800円 + 消費税 = 7,140円でした
[燃料ポンプ]
(単3電池は大きさの見本で直接関係ありません)
● 『ポンプ固定用のステー(アングル?)類』
● 『取り付け用のボルト』
● 『燃料ホース(1mくらい)』
● 『ホース・バンド』
燃料ポンプを含め、全て新品でそろえても1万円以内で収まるはずです。
作業するにあたって、特殊な工具は必要ありませんが、フェンダーを外す為のソケットレンチセットや 電気配線を圧着端子する為の圧着レンチ位でしょうか。


作 業 手 順

● 運転席側のフェンダー類を取り外す
● 電磁ポンプを取り付ける(ポンプの固定及び電気配線)
● 燃料配管を組替える
● 動作確認をしてフェンダー類を組み戻す

<運転席側のフェンダー類を取り外す>

燃料配管へアクセスする為にはフェンダー部は少々邪魔ですので、面倒でも外してしまった方が 作業は楽に出来ます。
(『ウインカーの付いているパネル』と『タイヤハウスを含めたフェンダー部』の2つのパーツ ですが、大きいので置き場所に困りますね。)

<電磁ポンプを取り付ける>

他の部品の邪魔にならない場所に燃料ポンプを取り付けます。

私の2CVの場合、別件で既にステーが取り付けてあったのでL字のアングルを共締めした所へ 燃料ポンプを固定しました。
見ての通り『片持ち固定』なので、多少の不安もありましたが、今のところネジが緩んだり している様子はありません。

電気配線は 『イグニッションONの時のみ』 通電するようにします。
イグニッションコイルへの配線へリレーを組み込んで繋げばOKです。 (イグニッション回路へリレーを組み込んでいる人も多いでしょう)

今回ポンプにはプラスとマイナスの配線しかなく、配線は間違いようは無いと思いますが、 ガソリン配管をする前に通電させるとポンプは回りぱなしになりますので注意してください。 (ガソリンの供給はキャブレタのフロートによって止まる仕組みになっているのです)
[燃料ポンプ-アップ] [燃料ポンプ-アップ]

<燃料配管を組替える>

恐らく、これが最も面倒な作業でしょう。

元来付いている機械式ポンプはエンジンの陰の非常に手を突っ込みにくい場所にあるので (特にタンク側の)配管を外すだけですが、意外と大変でした。

配管はエンジンの熱影響を極力受けない場所を通すようにしましょう。
元々のラインだとエンジンの真横を通っていたので『パーコレーションの遠因になる』 とも言われているからです。
(上記の写真は仮組みの時の物なので、弛んだホースがマフラーに接触しています。当然NGです。)

ちなみに機械式ポンプは電磁ポンプ化することで不要となるので取り外してしまっても良いのですが、 単純に取り外すだけだとポンプ駆動用のプッシュロッドが剥き出しとなってしまいます。
ポンプを外し、このロッド(棒)が外れてしまうと孔からエンジン(ギア?)オイルが漏れ出してしまい、 エンジンを壊す原因になります。
故に機械式ポンプはそのまま放置してあります。

<動作確認をしてフェンダー類を組み戻す>

燃料配管と電気配線が出来たら動作確認をしてみましょう。
エンジンキーを回すと同時にポンプが回りだし、最初『ゴガガガガ・・・!!』と結構大きな音と震動が 伝わってきて直ぐに止まるはずです。
これはキャブレターの中のガソリンがフロートにより規定量で止まるからであり、駆動音がしなかったり、 逆に止まらなかったりするとNGです。

ガソリンの漏れなどが無い事を確認してからエンジンを始動してみましょう。
一定のリズムで『コツッ・・・・コツッ・・・・』とポンプが駆動すれば動作確認完了です。

分解する時の逆の手順でフェンダーを組み戻して作業は全て完了です。
(私の場合、ウィンカーの配線を度々忘れました)


燃料ポンプ交換の効果

渋滞にはまってパーコレーション気味になった時、以前は何の前触れも無く 『プスンッ!』 と止まってしまう事が以外に多かったのですが、ポンプの交換によってこの確率が劇的に低下しました。 (残念ながら零ではないのですT-T)

突然止まってしまう確率が低くなった事により、信号待ちでエンジンが止まらないようにを煽ったり、 エンストから脱出する時に余計なアクセルを踏む事も少なくなりました。
これによって燃費も若干良くなった気がします。


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