2CVの燃料計の修理について

平成16年8月3日に一部修正

 私の2cvの燃料計は、ある日突然動かなくなってしまいました。
しかし、オートバイ式に走行距離と燃費から燃料の残量を計算すれば事が足りるので1年近く”ホッタラカシ”にしていました。

 ところが相次いで原因不明のトラブルに遭遇した為、関係のありそうな箇所・・・特に燃料供給系 の再チェックをする事にしました。
燃料計の修理はその行きがかり上、突然始めてしまった作業でした。

 燃料計のチェックについては『ヘインズ』にも出てはいるのですが、私の2cvは 室内から燃料計へアクセスできず、埼玉のM田氏に聞いてみたところ、
『ガソリンタンクがプラスティック製に変更された際に仕様変更された為、 修理をするにはタンクを下ろす必要がある』
と、言われました。
ついでに、良くある故障箇所と対策についてもコメントを頂き作業に取り掛かりました。


< 作 業 手 順 >

  1. ジャッキアップする
  2. 燃料供給口との接続部のバンドを緩めておく
  3. タンクを固定している4本のボルトを外す
  4. 燃料計の配線(2本)と燃料パイプに注意しながらタンク本体を下ろす
  5. 燃料計を固定している3本のネジを外す
  6. 燃料計をチェック&修理する
  7. 逆の手順で組みなおして終了

< 作業に関する留意点 >

燃料タンク内の燃料は極力空にした方が作業は楽です。

ガソリンが水よりも軽いとは言っても、重量が馬鹿にならないからです。
当然、手でタンクを下ろす事になりますから、燃料をこぼすのを避ける為にもなります。

また、ガソリンの臭いを長時間吸っていると気分が悪くなる事があるので、防臭マスクを 使った方が良いかもしれません。
(私は気持ち悪くなりました・・・)

[燃料計の概略図]"
写真を撮影することが出来なかったので
横から見た略図です。

< 壊れる場所と解決策 >

+側の導線
導線と言っても幅6〜7mm、厚さ0.5mm程の銅製の帯です。
材質のせいもあるのでしょうが、車の振動などが原因で折れてしまうことが多いそうです。
しかし、単純な構造故に治すのも簡単。折れた(切れた)部分をハンダ付けすればOKです。

ボリュームの不具合
燃料計はフロート(浮き)の位置による電気抵抗値をもとに表示しています。
その為、ボリュームの接触不良が原因で正常に動かなくなる事があります。

汚れが原因の場合は『接点復活剤』で洗浄する事により解決する事もありますが、
錆によって動きが『渋く』なっている場合には交換の必要があるかもしれません。
(まあ、燃料タンクを長期間カラにでもしない限り、滅多に錆びる事もないでしょうが・・・)


 さて、私の2CV『給料の3箇月分号』の場合はどうだったかと言うと、上のどれにも当てはまりませんでした。

 実は燃料計の
アース不良 だったのです。

タンクを下ろして燃料計を目視でチェックしたのですが、特に異常はなさそうでした。
その為、テスターでボリュームの抵抗値を計ったのですが、フロートの動きに合わせて 抵抗値も変わる為、これも異常なし・・・・

念の為、車に仮設で取り付けてフロートを動かしてみると、それに合わせて運転席の 燃料計もゼロから満タンの間を行き来しました。

『少なくとも燃料計自体は壊れていない』
と、判断した私は元のとうりに組みなおしたのですが、今度は動きません・・・・(T 。T)

仕方なく私の親父に見せたところ
『アースじゃないか?』
と、言われてしまいました。

元々つながっていたアース用(マイナス側)のケーブルは私の目にも劣化が酷く
新品に交換したのですが、ギボシの持ち合わせが無かった為、接点を磨いただけで 流用していたのです。

渋々オートバックスまでギボシのセットを買いに行き、圧着して組み立てると 何事も無かったかのように燃料計は動き出したのでした。
『アースマニアの親父の勝ち』と、言うところでした。


整備考に戻る