ドライブ・シャフト・ブーツの交換について


交 換 の 経 緯
交換に用意した物
正攻法と非正攻法
実際の交換作業
あ と が き


<平成12年1月前半>

我が家のポンコツ2CVを車検に出した時のことですが、車検屋さんに
『ドライブシャフトブーツが裂けて穴が明いていますよ』
と、指摘されてしまいました。

幸い車検はそのまま通ったのですが、帰ってきた車を確認すると運転席側の シャフトブーツが極わずかですが裂けていて、グリスをまき散らす原因になっていたのです。 (どうりで『タイヤハウスに内側の洗浄に1日かかった・・・』と車検屋さんから泣きが入ったはずです)

ショックは隠せないものの、自動車整備関係の本を読んだところ、
『ドライブシャフトブーツの破れはベアリングなどの潤滑が出来なくなるので当然交換しなければならないが、 グリスが全て無くなるまでは猶予がある(意訳)』
と、書いてあったので一安心・・・・

まあ、当然の事ながら直ぐに治したいところですが、車検の直後でお金が無く、 とりあえず様子をみながら策を練ることにしました。

試しに某ショップに問い合わせてみると、『6箇所のブーツを全て交換して数万円』と見積もりが出たのですが、 交換が必要なのは1ヶ所だけなので一寸ナンセンス。
とりあえず、
CML などで情報を集める日々が続きました。


<平成12年5月8日>

発見された『破れ』を放置する事4ヶ月、結局DIY作業に踏み切る為、最寄のシトロエンショップ 『デカポ』さんへ ドライプシャフトを注文する事にしました。

全く動けなかった2月の1ヶ月を経て、騙しダマシ動かしていたのですが、(止せばいいのに) 岐阜までのロングドライブを決行してブーツの状態に不安を感じたからです。

<平成12年5月15日>

幸い1週間ほどでシャフトブーツは届いたのですが、(一寸嫌な予感がしたので)良くよく部品を眺めてみると 大きさも形も合いません。何処でどう間違ったのか トランスミッション側のブーツだった為、即刻返品するはめに・・・

<平成12年5月28日(日曜日)>

前日にデカポさんから『入荷した』と電話を受けたので、部品を取りに行くとリペアキットは『今風で小奇麗な ブリスターパック』に入っていました。
間違って入荷した部品は 『ヘヘマーク』の印刷された年代物(?)の紙箱に入っていたので、 一寸残念な気もしました・・・
シャフトブーツ・リペアキット

部品が手元に着たので後はいつ作業するかだけです(- 。-)



<交換に用意した物>
・ ドライブシャフトブーツ・リペアキット (シャフトブーツ、グリス、結束バンドのセット)
・ ジャッキ
・ スタンドジャッキ(いわゆる馬)
・ ソケットレンチ類(ディスカウントショップで売っている程度で十分です)



<正攻法と非正攻法>

タイヤ側のドライブシャフトブーツの交換作業には
タイヤ側から攻める 『正攻法』 と ブレーキ側から攻める 『非正攻法』 とがあります。

今回交換するのはタイヤ側だけなので『正攻法』がベターなのですが、これには
・ 作業が一人では出来ない(誰かにフットブレーキを踏んでいてもらう工程がある)
・ 平径32mmという(他に使い道の無い)大型のレンチが必要になる
・ 上記のレンチを回すのに力が要るので『水道管』や『エアーインパクトレンチ』が必要になる
といったDIYで作業する上での不具合を感じました。
(『正攻法』に関してはMin^2師のHPに詳しい解説があります)

そこで今回私は『(何処にでもある)手持ちの道具』と『一人で作業が出来る』非正攻法を選択しました。
だだし非正攻法にも
・ (『正攻法』よりも余計に)グリスまみれの作業になる
・ シャフトブーツをゴムの伸びを利用して無理やり引っ張る工程がある
というデメリットもありますので注意が必要です。



<実際の交換作業>


<平成12年6月初旬?>

1:作業の邪魔になるフェンダー部を取り外します。
[フェンダーを外す]

2:ブレーキディスク側のドライブシャフトのボルトを全て外します。
ボルトを外す

3:ジャッキを噛ませてジャッキアップします。
ジャッキアップしていくと次第にスプライン部が延び始め、ドライブシャフトを取り外せるようになります。
(この後の作業はスタンドジャッキを噛ませてからするのがベターだと思います)
ジャッキアップする

4:エンジン側のドライブシャフトを取り外します。
写真ではスプライン部のシャフトブーツが残っていますのでエンジン側に引き抜きます。
シャフトブーツの細い穴にスプライン部を無理やりに通す事になりますので、破らないように注意しましょう
ドライブシャフトを取り外す

5:古いシャフトブーツを取り外し、新しいシャフトブーツをスプライン側から(無理やりに)装着します。
上記のスプライン部のブーツも同様ですが、グリスを拭き取らないほうが装着は楽です。 (手はグリスまみれになりますが・・・・)
この時念のため、ベアリングの様子を確認しましょう。
グリスが十分に行き渡っていればベアリングへのダメージは無いでしょうが、 グリスが全て飛び散ってガタが出ているようだと、ベアリング交換の必要があるからです。
[シャフトブーツを挿入する] [スプライン部を通す時に注意]
6:シャフトブーツに付属のグリスを十分に充填し、結束バンドで締め上げます。
元々着いていた結束バンドと、付属したいたバンドと結束方法が違っていて戸惑いましたが、 他にやり方は想像できなかったので最も単純な方法を取りました。
すなわちバンドを反対側のスリットへ通し、ペンチなどで限界まで引き絞り、折り返しました。
(余分なバンドはスリットから1cm位のところで切断しました)
[シャフトブーツ装着完了] [バンドの締め方]
7:フェンダー部を組み戻して作業は完了です。



<あとがき>

実際作業をしてみると『意外と簡単だった』というのが感想です。

これが最新式のFF車であったら、まず手は出していなかったでしょうから、 2cvの簡単な構造に感謝する限りです。

今回の体験により6箇所すべてのドライブシャフトブーツの交換が可能であることが確認できた 有意義な作業だったと思います。


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